芝寿しインターン:松任市農業組合様インタビュー
- 2016.09.06
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農・食を盛り上げる情報発信
行政が金沢全体で食文化の発信に力を入れている中、
食の原点であるその土地の農といえば、JAさんがまず思いつきました。
JAさんから見た農・食の事情や、
何か外部に向けて発信したいことがあれば知りたい。と思い、
今回、JA松任(松任市農業協同組合)さんにご協力いただきました。
関川潤一郎 総務部長 様
三橋裕一 企画管理課長 様
お二人に「農・食を盛り上げる情報発信」をテーマにインタビューさせていただきました。
土地と旬を結びつける
Q.情報発信ということで、漠然としていますがJAさんの方で
地元のこれを推したいとか、知ってもらいたいとかありますか?
三橋様
「そもそも石川全体を推すのか、加賀野菜を推すのか(発信するもの)というのもだし、
ターゲットに関しても内の人か外の人かで正直悩ましいところではあります。
個人的には石川全体推し+季節的な楽しみを
知ってもらえるようにすることができたら一番いいと思っているよ。
“〇月だから△△を食べにいこう!”が理想の形で、
例えば、昔は「旬、カニ漁解禁!」なんて言っていたけれど
でも現代は通年のものがほとんどで、ありがたみが薄れているんです。」
—————–
どんな切り口でどの対象に向けて発信すべきか。
ターゲット設定に悩んでいるという本音を聞かせていただけました。
JAさんの土地と旬を結びつけるという発想には、
確かにそのとおりだ。と思いました。
よくよく考えてみると、食文化とは環境の中に形成されるものです。
その環境の中に土地や気候、気候の中に旬が含まれています。
その土地の旬のものを食べるというとき、
おそらくその食材にはそれを美味しく食べるための工夫と
創作がたくさん施されているのではないかと思います。
それが食文化というものなのではないでしょうか。
まず旬なものを美味しく食べたいという思いは誰しもあります。
でも土地によってとれる旬なものは違うわけです。
それが長い年月をかけてどんどん特異性を帯びていって
食文化と呼べるくらいに確立されたのかな、という結論に至りました。
例えば、
11月だから石川県に蟹を食べにいこう!
と思わせること、知らせることができれば、
その人は知らぬ間に香箱蟹や蟹の押し寿しなど、
その地域の食材や伝統食を口にする可能性が高くなるわけです。
そしてそれを「おいしい」と思えば、
食べているものについてもっと詳しく知りたいという欲が出ます。
すると最終的に食文化を知るという結果になるわけです。
その最初の橋渡しとして我々学生が
「土地と旬を結び付ける」情報発信をやっていくことも
また1つの方法ではないかと思いました。
三橋様、お話ありがとうございました。
若者の米離れ
関川様からこのような質問がありました。
Q. うちだけじゃなくて、北陸の共通の課題だと思うけど、
もっとお米を推したい。でも最近若者の米離れ進んでるよね?みんなはお米食べる?
木村
「僕は毎日食べますが、農林水産省の出したデータによると、
“20代男性の2割が1ヶ月間米を食べてない”
なんてデータも出ていますしね。
ちなみに米離れの原因はどういう風に考えておられますか?」
関川様
「炭水化物ダイエットなども背景にあるだろうね。
あとみんなコンビニでおにぎり買うと思うのだけど、
そういうのはむしろ消費量が上がってきている。
どうしても簡便さを追求してしまうのだろうね。」
—————–
僕は個人的に若者の米離れについて問題視をしてます。
そのため、福岡でもその解消に向けたイベントを組んだりしています。
お米を本当に特産として推したい地域にとって、すごく脅威ですよね。
JAさんではパックご飯の販売も行うようになったそうですが、
販売は近隣の人に留まっているというお話でした。
そこで僕は、笹寿しを北陸の食文化への興味の入り口としたらどうかと考えます。
芝寿しさんが最もこだわっている”お米”
ホームページから、こだわりが分かります。
僕は、お弁当の中の食材一つ一つへの想いも大切ですが、
まずは笹寿しのことを、お米に対するこだわりなどとともに、
北陸の食文化の一つとして認識してもらう情報発信が必要ではないかと思いました。
関川様、お話ありがとうございました。
食文化発信の切り口
JAさんで聞いたお話をもとに、
僕自身が考える食文化発信の意義について述べたいと思います。
僕が思うに、
食文化を知って好きになる=その土地のことを好きになる
というのが同義です。
どこかに旅行に行ったとき、また来たいな。と思える瞬間を想像してみてください。
今、頭の中に、
「これおいしいな、また食べに来たい」
と思っている自分の姿を想像していませんか?
もちろん、景色だとか雰囲気だとかにひかれて、また来たい。と思う場合もあるでしょう。
しかし、その土地のものを食べて感動した経験が誰しもあると僕は思います。
食は三大欲求の一つなのですから。
そのためには、三橋様が仰っていたように
「地域+季節的な楽しみ」を知ってもらうこと
土地と旬を結びつけることが必要であると考えます。
また、
「この食べ物美味しいけど、なんて食べ物なんだろう」
という小さな興味が起こり、
食べ物そのもの・食べ物の背景を知って好きになってくると、
最終的に土地のことも好きになってくると考えます。
その土地の食文化はその土地の環境を映し出す鏡である
僕はその土地を好きになってもらう足がかりとして、
食文化を発信する意味があると思っています。
逆に、食文化がなくなってしまえば、
その土地に対する興味や親しみは湧きづらくなっていくでしょう。
伝統食に限らず、ご当地の食べ物を出しているお店がなくて、
ファミリーレストランだけがある地域を好きになれますか?
僕はなれません。
だからこそ、関川様とのお話の中で感じたように
「食文化への興味を入り口」を我々学生はスタートを切って
作る必要があると考えます。
なぜ、その土地のことを好きになって欲しいのか。
僕の夢が
「日本中の人が日本中を故郷と思えるようになる」ことだからです。
そうなればこの国は今より少しでも幸せになると思うからです。
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九州大学 農学部 3年 木村太喜
僕の夢について気になる方は、自己紹介記事をご覧下さい(∩´∀`)∩
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