芝寿しインターン:お弁当箱に詰まる誇り

  • 2016.08.24
  • 未分類
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北陸の食文化

 

北陸には北陸ならではの農産物や食文化がある。

 

しかし、時代は変わり、これらの食文化もどんどん廃れ、忘れられていくことも多くなってきた。

 

そこで今、芝寿しを中心に北陸の食文化を発信することで、

もう一度北陸の食文化を振り返ることは、今後の活性化を図るチャンスなのである。

 

 

 

お弁当箱に詰まる誇り

新・北陸浪漫(補正前)

 

芝寿しといえば石川県を中心に笹ずしとお弁当を主に取り扱っている。

 

特にお弁当は定番商品から季節や行事に合わせた限定のもの、

さらには、お客様からのオーダーメイドまでその種類は多種多様に及ぶ。

 

蓋を開けると、たくさんの季節の旬の野菜を使ったおかずが色とりどりに詰められている。

 

食べ物だけでなく、例えば秋には紅葉の葉に見立てた人参が添えられているなど、

さまざまな角度からから私たちの目も楽しませる。

 

なぜ食文化を発信するのにお弁当という手段を使うのか?

 

それは1つの小さな箱に石川県の魅了をふんだんに詰め込むことができるからである。

 

普段食べているご飯とお弁当の違いは、蓋付きの箱に詰められているかないかである。

 

蓋を手に取り、開けたときの感動

 

小学生の頃、遠足などの行事でお母さんが作ってくれた

お弁当を開けたときの感情を覚えているだろうか。

 

自分のために作ってくれた喜び

 

家で食べるご飯とはまた違う、けれども紛れもない母の味——。

 

このようにお弁当というのは何か少し特別なニュアンスを含んでいる。

 

芝寿しのお弁当も金沢の食を色とりどりに詰めこんでいて、食べる人を感動させる

 

また、金沢の人々にとって、芝寿しのお弁当とは慣れ親しんだいつもの味でもある。

 

 

 

お弁当へのこだわり

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現在では通年で食べられる食材が多く、という概念が薄れてきている。

 

この時期だからこれを食べに行こう。と言った感覚がなくなってきている。

 

しかし、お弁当を活用することでこの問題は解決される。

 

芝寿しは通年のお弁当でも若干内容が変わり、旬のものを多く使っているため、

石川県の旬を取り入れるという点で食文化発信に役立つこととなるだろう。

 

芝寿しが使っている食材には独自のこだわりがある。

 

一つが、工場が自ら農家と契約したこだわりのあるお米

 

このお米は芝寿しと生産者が一緒に開発してきたもので、

芝寿し独自のルールを設け、生産していただいている。

 

こだわりの米と、その年に一番美味しいとされる米を

全国各地から取り寄せ、ブレンドし、使っている。

 

野菜も地元のもの、特に旬のものを多く使うようにしている。

 

地元の人が作った野菜、米を地元で消費する——

 

これはよく言われる「地産地消」の体系であり、そこにもこだわりが見出せる。

 

なぜこんなにもこだわりがたくさんあるのか?

 

それは芝寿しが北陸、特に

 

石川県に誇りをもっているからだ。

 

誇りがあるからこそ1つ1つの食材をも妥協せず、

お弁当という一つの枠いっぱいに金沢の地に誇りを持っているという思いのたけを詰め込み、

北陸の食文化という形でお客様に提供できるのである。

 

 

 

発信する意義

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現状ではこの誇りは北陸の中に留まっている。

 

この誇りの中には、もっとこの北陸の食文化を知ってもらいたいといった感情も含まれているだろう。

 

そこでようやく発信するという意義にたどり着いてくる。

 

発信するということはたくさんの人に知ってもらうことである。

 

なぜ文化を発信し、多くの人に知ってもらうことが必要なのか。

 

文化は人が生きてきた中で創り上げてきたいわば人の生きてきた、長い軌跡である。

 

しかし、人の目に触れられないとやがてその文化はだんだん忘れ去られ、遂には廃れてしまうのである。

 

これを防ぐにはその文化を活性化させる必要がある。

 

発信するということは人の目に留まること

 

地域の本当の魅力はその地域を知っていたり、興味を持った人が、

その土地に来て初めて分かるものである。

 

しかし、いくらより良いものを作って、それに誇りを持っていても、

まずはその地域に興味を持ってもらわなければ、文化を活性化させるという点では不十分なのである。

 

情報発信をする者の想いは、石川県全体、さらには北陸一帯で北陸の食文化を発展し、

盛り上げていきたいという願いがある。

 

そのためにも情報発信によって北陸のことをもっと知ってもらい、

北陸に来てもらうといったことも必要となってくる。

 

発信するにはターゲットを絞り、そこに向けて需要のあるものを提供していくのが一番手っ取り早い。

 

しかし、そのターゲットを絞るということがなかなかに難しい。

 

北陸内部ばかりにターゲットを絞ると地産地消がもっと活性化するかもしれないが、

北陸の食文化を発信するという点で達成し難くなってしまう。

 

また、外ばかりに目を向けすぎるとその分、

北陸内部の生産者や北陸の食文化に携わっている人の想いとのズレが出てきてしまう可能性もある。

 

 

そこで、私は若い世代がこの問題を解決するキーパーソンになると考える。

 

若者のパワー、影響力というものはとても大きく、地域一帯を活性化させる力を持っているだろう。

 

彼らはSNSを駆使するので、情報発信という点でも大きな効果を発揮してくれるのではないか。

 

人が集まる場所にはさらに人が集まってくる。

 

石川県の代表的な弁当屋である芝寿しが北陸の食文化を発信することは、

北陸一帯が活性化する大きな第一歩となると私は考える。

 

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北九州市立大学 3年 樋口 里紗子