芝寿しインターン:いまい農業さんのお米にかける情熱
- 2016.09.09
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いまい農業さんのお米にかける情熱
今回は芝寿しさんと縁の深い
石川県鹿島郡中能登町でお米を作っている「いまい農場」さんに
米づくりへの思いを聞かせていただきました。
力のかぎり有機農業を進めていきたい
大自然の石川県鹿島郡中能登町
そこに大きな田を持ち、お米の
有機栽培・特別栽培米(除草剤の量を制限して作るお米)に力を入れている
「いまい農業」さん。
農業を通じてお客様に安心安全を届けたいという思い一心で、
少しだけでも多くの量を有機栽培にしていこうと日々奮闘しています。
そんなこだわりを持った農業をしていく中で、大事にされているのが
「消費者目線」
であるとお話されておりました。
お米の栽培は、消費者の顔を直接見る機会があまりありません。
しかし、
いまい農場さんは”お米を食べる人”のことを
とても真摯に考えていらっしゃっていました。
『顔の見える生産者』という言葉が世間に広まりつつあるように、
消費者が安心して食事をできるような工夫も世の中には多くあります。
そんな中、いまい農場さんでも
どうしたら安全なお米を消費者に届けて、
安心して和食文化の食事を楽しんでもらえるのか。
を考えておられました。
その思いから、
最近農業に従事された息子さんは、
農業だけでなく、その日々のお米作りのことを
インタ−ネットを通じてお客様にもっと知ってもらおう。
という活動も行っているそうです。
やはり農業をやりながら、情報発信を行っていくということは簡単なことではないそうです。
忙しい中でも、情報を発信していくお二方の姿には、
お米作りへのこだわりが強く感じられました。
有機栽培との苦闘
お客様にとっては、安心安全なお米を楽しめる有機栽培ですが、
実はそのお米を栽培することは容易いことではありません。
有機で栽培をするため
雑草の処理は、草の除草剤を使用せず
自分たちの手でたくさんの雑草の処理をしなければいけないのです。
取材をさせて頂いた私も、初めは「雑草だけなら…」と思っていましたが、
インタビュ−の後に実際に田んぼを見学させていただくと、
実際は田んぼには無数の雑草が生い茂っており、
「これを人の手で取るとなると・・・」と考えるだけでも気が遠くなるほどの量でした。
通常の栽培よりも手のかかる有機栽培をする
いまい農場さんは、今後も有機栽培を続けるため、
努力・施工作土をしてお米作りをされています。
より多くのお米を有機栽培にするために
いまい農業さんでは、少しでも多くの有機栽培米を栽培して
消費者の方に届けていくために、様々な施策を行なっていました。
しかし、その努力の裏には大きな壁にぶち当たることもあったのです。
初め行った施策は、
雑草の処理を軽減しよう!ということで、合鴨を田にはなつことをしました。
その施策は1年目にはなかなかの効果があり、
雑草処理も楽になったそうです。
が、2~3年目には合鴨が全滅してしまったのです。
合鴨施策は失敗してしまいます。
なぜ合鴨が全滅してしまったのか・・・
実はそこには、空気や水が美味しい大自然の中で農業を行っていくがゆえの問題が生じていました。
夜間や人が場を離れた隙を狙って、
山から下りてきた狐が合鴨を襲っていたのです。
このままでは、また合鴨をはなっても襲われてしまう。
そこで、合鴨から、機械での除草に切り替え、
いま現在の管理方法にまで至るそうです。
生産者の皆様は、私たち消費者からはなかなか見えない
大変な苦労を抱えながらも、こだわりのお米を作り続けていたのです。
自分たちの足でお米の良さを伝え広めていく
いまい農場さんは農業でお忙しい中でもお米の良さを伝えるために、
関西や関東に出向き、積極的にイベントへ参加するそうです。
そこでたくさんの方とお話をして関わりを持っていく中で、
新しい取引が決まったり、
お客さんからの声を直接聞けたりする。
いまい農場さんは、そのお客様からの声が
今のエネルギ−となり、原動力となって
毎日を頑張っていけるのだとお話されていました。
ぜひ日本人だけでなく、いろんな方々に和食文化というものを楽しんでもらい、
健康的な生活を送ってほしい。とご自身のお米作りにかける思いを熱弁されていました。
後世に生態系のことを伝えていく
いまい農場さんでは、農業以外にも地域での活動を行なっています。
先日は村の子供達と共に、田んぼにいる動物や生物を調べ、
生態系を学ぶという企画を開催されました。
田の生き物たちが減ってきている中、村の子供達が田の生態系を学ぶことで
次の世代に里山里海を残していきたい。という気持ちを持ってほしい。という思いがありました。
いまい農場さんは、生態系を残していくためにも、
できるだけ薬剤を使わないでお米を育てる農業を続けているのです。
これがもし薬剤などを使って農作物を育てると、
作物だけではなくその土壌に住んでいる生き物にも影響があります。
もしも、将来的にこの生き物が土壌からいなくなってしまうと、
お米を作るための大事な土も良いものにならず、
お米をより美味しくすることもできなくなってしまうのです。
いまい農場さんは、
このような活動を通して、生態系を維持する必要性を後世に伝えていき、
お客様のために美味しいお米作りに日々奮闘しているのです。
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富山高等専門学校 射水キャンパス 高専4年 伊藤 大樹
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