これが冷凍!?と言われる、そんな寿司を作りたかった、作りたての味を再現した寿司はこれだ!

これが冷凍!?と言われる、そんな寿司を作りたかった、作りたての味を再現した寿司はこれだ!

弊社 芝寿しは押し寿司の専門メーカーとして代表商品笹寿司を製造販売してきた。

近年の社会環境の変化を捉え、商品の販売、製造方法を検討していかなければならないと感じてきた。

そういう中、目指したのが冷凍寿司だ。

世の中に冷凍寿司が出て時間は立っている。
冷凍食品が多い中で一番難しいとされるのが「ごはん」の冷凍だ。

油を使ったもの、温めて食べるものは冷凍状態から解凍しても、難なく美味しく食べることができる。

しかし、「ごはん」だけはそうはいかない。
「ごはん」には特殊な技術が必要になる。
そんな特殊な部分を研究しつくし出来上がったのが芝寿しの冷凍寿司だ。

 

 

冷凍寿司なんて!と思っているあなたは、当社の冷凍寿司を食べて最初につぶやく言葉は「これ冷凍?」になること間違いない、そんなあなたに期待をしていただくために本ブログは、芝寿しの冷凍寿司への思いと開発のプロセスをご紹介し、ぜひ、冷凍寿司とはこんなに美味しいのだ、を実感してもらうために知っていただくきっかけになることを目指して書いている。

 

 

どうして冷凍寿司を作ろうと思ったのか

現在 弊社のみならず、食品を提供する企業の厨房ではさまざまな課題に直面していた。

  • 限られた作業スペース
  • 調理スタッフ不足
  • 衛生・安全の確保など

また、販売販路を拡大しようとする時に立ちはだかる。

消費期限の問題、つまり、商品の時間経過ともに起こる劣化だ。

 

また、弊社工場に目を向けると、平日と日曜祝日との生産量に大きな隔たりがあり、平日には生産量が減るが、働き手は集まりやすい。その逆で日曜祭日は生産量が大きく膨らむが働き手が集まらない。

 

ここで起こるのが働き手の長時間労働による疲弊になる。

 

21世紀に入って10年が経過しようとする中、今後、日本の高齢者社会化、働き手の減少の未来を見つめるとこれらの問題を解決していかなければならない大きな経営課題になっていた。

 

これらの課題を解決しつつ、弊社の作る押し寿司を作りたての味をぎゅっと閉じ込めて日本全国に送り、召し上がっていただくためにはどうすればいいか、が課題としていた。

 

ご飯の冷凍が難しいのはなぜか

「冷凍」は、今や当たり前のように食品スーパーでは商品が並んでいる。
ピザ、餃子、焼き肉、焼きおにぎり、たくさんの冷凍食品が並んでいる。

冷凍食品

寿司だって簡単に冷凍できるのでは?と思われると思います。

しかし、ここには巨大な壁が立ちはだかっていたのです。

 

「ご飯の白蝋化(はくろうか)」

 

何のこと!?

白蝋化(はくろうか)とは、炊きあがったお米を冷凍して、解凍する時に起こる現象をいう。


お米から水分が無くなりロウサンプルのように固くボロボロになる現象。

詳しい原理は割愛させていただきますが、ごはんのデンプン分子とごはんに含まれる水分分子が離れることによるものです。

 

緩慢冷凍(ゆっくり冷凍する・通常冷凍の意味です)で冷凍し解凍した時、ご飯をほぐしてみると、塊となってボロボロになりロウが崩れ落ちるようになる。

急速冷凍(急速に冷凍をして分子レベルまで急激に冷凍すること)で冷凍し解凍したご飯をほぐしてみると、炊きたての様にはいきませんが水分も有り簡単にほぐれます。

つまり、まとめると

 

冷凍の課題点は

1.冷凍の仕方
2.解凍の仕方

 

それぞれに時間や手法が問われることになる

このように他の食品にはない課題がなかなか乗り越えられず苦しい戦いになりました。

機械メーカーさんからは、冷凍機器が多く販売され、問題はない、というフレコミも多かったが実際試してみると、やっぱり白蝋化の問題は付いてまわった。

 

そこで、当社は、全国ですでに販売している冷凍寿司を片っ端から取り寄せて試食を行った。

 

送られてきて開封した段階で、すでにご飯が白蝋化している商品も少なくなかった。

 

この問題は、輸送途中の温度変化にも要因があることがわかった

 

新たな課題

1.輸送中の温度変化
2.クール(冷凍便)をどのような箱で送るか

 

 

「冷凍」を突き詰めていくと冷凍技術のみならず、寿司にも工夫がいることがわかってきた。

ごはん(お米)そのものが冷凍に向いているお米なのか?

酢?

水加減?

など、さまざまな課題を見直しせざるをえなかった。

 

従来、長く北陸・金沢で培ってきたノウハウは、このままでは通用しなかった。

多くのお米で実験を繰り返し契約農家さんとの取り決めを以下にようにした。

1.肥料は有機率70%以上
2.除草剤の使用は1回のみ
3.田植え後の病害虫防除は行わない
4.栽培方法や使用資材などの栽培記録を明確にする

 

 

冷凍寿司ができると何が良いのか

そんなに苦労をして、どうしてそんなに冷凍寿司にこだわるのか。と指摘を受けることも多かった。

社内だけでは解決できず、さまざまな機関や食品会社へ打診をして知恵を集めた。「冷凍商品で勝負している」と聞きつけると、日本全国へ足を運んで食べて話を聞くことを繰り返した。

芝寿司が冷凍寿司にこだわっていくには理由があった。

芝寿司が求める冷凍寿司の完成は、消費期限を伸ばし美味しい作りたての味を全国へ届けるということ。

そして、弊社で働く人の労働環境の改善、など大きく変革を起こすものだからだ。

 

※写真は芝寿し旧工場風景です

 

さらに、当社が困っているように、『多くの食品工場でも同じような問題に直面しているだろう。

その変わりに芝寿司がお寿司を作って、お送りして使っていただきたい』と考えた。ついにできた芝寿しの冷凍寿司そしてついに芝寿司が目指す冷凍寿司が完成した。

 

できてからは、多くの方々に召し上がっていただくことが課題となった展示会に参加完成したが、本当に冷凍寿司が美味しいって言っていただけるのか確かめざるを得なかった。

 

東京、大阪などの食品展示会に参加し、出店ブースに訪れる方々に冷凍寿司を解凍して召し上がっていただいた。

 

召し上がっていただいた861人中、452人は『冷凍だとはまったくわからなかった』と回答をいただいた。

冷凍円グラフ

また、試食アンケート試食品を多くの方々に食べていただこうとインターンシップ大学生を活用し500人試食を目標にして学生の友人やご家族へオススメしていった。

たくさんの試食品を送り感想をまとめ改良点を探った。

 

そして、2015年 ニュースリリースを発表

世間に販売を告知。

いよいよ販売を開始した。

冷凍寿司を完成したが、肝心のメイン商品の笹寿司だけは冷凍にできなかった。

冷凍にしたのは電子レンジで温めて食べる蒸し寿司、そして棒寿司、手鞠寿司タイプだけだった。

冷凍手鞠

 

完成はしたものの、北陸地元で販売している「笹寿司」を冷凍にするにはまだ時間を要した。

その理由は、従来から地元の方々に愛され親しまれてきている笹寿司のお米、酢、など簡単に変えるわけには行かなかったからだ。

 

まとめ

あれから6年の歳月が経過した。

多くの取引先を全国へ求め営業を行い、少しずつではあるが使用していただける取引先が拡大。有名リゾートホテル様、結婚式場、有名旅館様、大型クルーズ船内でのビッフェなどにも利用いただいいたり、アマゾン、楽天でも直接販売し、多くの方々に美味しい作りたての味を再現できる冷凍寿司が広がりつつある。

 

そして、課題であった、弊社のメイン商品である笹寿司もついに2020年11月より、金沢プレミアム笹寿司を冷凍寿司として販売開始を開始した。

 

需要期(お盆、年末年始など)には生産が追いつかず、多くのお客様にも品切れなどでご迷惑をおかけしてきた。

 

今後は、冷凍笹寿司を事前にご予約いただければ冷凍庫に保管いただき、お好きな時に解凍して召し上がっていただけるということが実現する。

 

今後、より多くの方々に作りたての味が再現できる芝寿司の冷凍寿司をご賞味いただければと願っている。