芝寿しインターン:3代目社長「新」芝寿しの幕開け

  • 2016.08.22
  • 未分類
芝寿しインターン:3代目社長「新」芝寿しの幕開け

学生が食文化を学ぶ「実践型インターンシップ」

芝寿しで学生に食文化の魅力を伝えてもらおうと

「実践型インターンシップ」を行っています!

北國新聞掲載記事はこちら

 

芝寿しインターン生による、インタビュー記事連載が本日よりスタート!

これから2週間、金沢の魅力発掘に迫ります!

 

まずは来年、創業60年を迎える株式会社芝寿し、梶谷真康社長にお話を伺いました。

 

 

【3代目社長、「新」芝寿しの幕開け】

株式会社芝寿し 代表取締役社長 梶谷真康さん 金沢市

社長

↑研修初日、梶谷社長(前列、左から2番目)、インターン生、内定者ら芝寿し本社前にて。

インターン生は東京、福岡、石川、富山から参加。

 

 

「本当は板前になりたかった。」

北陸3県を中心に300種類以上の弁当製造を手掛ける、金沢のソールフード・芝寿し。

 

地元の人に愛され続ける寿司弁当メーカーの後継者として、

一昨年社長の座を継いだ梶谷真康さんは、幼少期から跡継ぎになる自覚があった。

 

しかし、小学校を卒業後に岐阜の全寮制の学校に進学すると、

弁当製造としての寿司屋ではなく、「板前になりたい」と思うようになった。

 

梶谷社長「きっかけは、長期休暇で金沢に帰省したときでした。両親は共働きだったため、

夕ご飯はいつも9時過ぎ。待っている間、お腹が空いて仕方がなかった。

 

そのとき、ふと思ったんです。自分で作ればいいのだ、と。はじめは自分の分だけ。

 

簡単な野菜炒めとか、みそ汁を作ってみると、意外と上手くいって。

せっかくなら家族の分も作ろうと思い、両親が帰って来たらすぐ食べられるようにしました。

 

自分の作ったものを「美味しかった」と言ってもらえたときは、嬉しくて仕方がなくて。

何を作るか考えるところから、買い物、調理、全て自分でやって、形になったものを人に喜んでもらえる。

こんなに楽しいことはないと思いました。

 

そのとき、自分で作ったものを、相手に喜んでもらえることが実感できる板前になりたいと思いました。」

「自分の作ったものを、お客様の目の前で提供したい」

 

大学へ進学してからも、その思いは変わらなかった。

 

卒業後は、寿司職人ではないものの、店内で調理をし、計り売り購入ができる「オリジン弁当」に入社。

しかし、それは理想とは異なり、困難の連続だった。

 

梶谷社長「人手不足のあおりから、入社してわずか1ヶ月後には店長になりました。

そのときは、抜擢されたことが、とにかく嬉しかった。

 

けれど、当時はシフトの割り振り方をはじめ、何もかもわからなくて。

 

なのに、パートスタッフらには「はい、これやって!」と、店長面で言葉を投げかけました。

半年後、異動が決まって送別会が開かれたとき、みんなにボロクソ言われました。

 

「本当にひどかった」と。

 

そのとき、気が付きました。仕事もロクにできないのに、口先だけだったのだと。

それからは、自分の実力を磨こうとまずは現場で量をこなし、自分の実力を磨くことに徹底しました。」

 

とにかく、まずは量をこなすこと。そして、実力をつける。

 

仕事内容を覚えるだけでなく、従業員の管理やコミュニケーションなどやる気あふれる職場づくりを目指した。

 

その後、26歳で地元金沢に戻り、芝寿しへ入社。

 

まずは現場のことを知らなければいけない。

製造部門の社員として働きはじめ、一昨年、社長に就任した。

 

梶谷社長「社長に就任して2年。オリジン弁当で働いていたときとは、意識が変わりました。

オリジン弁当で勤務していたころは、店長とは言え雇われていた側。

 

しかし、今は経営者として、従業員を雇う側。

今は500人の授業員を雇う側となり、先代から続く伝統の味を守らなければならないという気持ちが強いです。

 

目標は、金沢の味を日本中に広め、ゆくゆくは海外に進出すること。

 

ただ、全国に芝寿しの商品を展開するのではなく、全国から芝寿しに買いに来ていただける商品を

開発したいと考えています。観光土産として、全国の人に愛される商品展開をしたい。

 

そのためにも、まずは地域で愛される存在にならなくてはいけない。

その誇りを持って日本中、そして世界の人に愛される商品づくりを目指していきたいです。」

 

金沢の文化を全国へ

 

先代の味を守り続け、地域を大切にしながら、日本中に発信すること。

 

北陸三県の味としての伝統を守りながらも、既存の枠を広げていく取り組みは、生半可ではない。

 

新しい物事への挑戦は、1人ではできない。

 

そのため梶谷社長は、社員向けに月に1度「社長塾」を開催、社員教育から、会社経営、商品開発について、

全員と話をする機会を設ける。情報を共有し、1つの物事に取り組むこと。上から命令するのではなく、

同じ目線に立つこと。この一体感こそが、新たな取り組みへの重要な鍵となる。

 

2年前に幕を開けた、3代目芝寿し。

挑戦を続ける梶谷真康社長は、「新」芝寿しと共に、金沢の文化・寿司弁当の感動を全国へと届けていく。

 

ホワイトボード

↑質問に対して、ホワイトボードを使って解説してくださった。

「常に相手のことを考える」社長の人柄が垣間見えた瞬間。

___

芝寿しインターン生

慶應大学法学部政治学科3年

宇井志津佳